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口臭について

2016.04.11 トピックス

豊かで平和な世の中になってくると清潔志向が強くなり、口臭を気にする方が増えてきます。
この病気は専門医から見ると取るに足りない症状であるようなものでも、本人にとっては社会的存在を許されるか否かというほどの深刻な問題になることがあります。
以前は口のなかの病気に由来する口臭と、内臓疾患に由来する口臭に大別されていました。
しかし、最近では他覚的に不快な臭いがあろうが、なかろうが、本人が自覚していればそれを総称して口臭と呼んでいます。
じつは、口臭は心身症の始まりで、その症状の裏には心の病が隠されています。
日本での口臭に関する一般人の意識は、約3万人を対象とした1999年度の保健福祉動向調査に見ることができます。口のなかに何らかの問題を持つ人が、本当に口臭のある人の70%に認められ、そのうちの、実に14.5%の人が口臭を気にしていることが分かりました。この数値は、歯周病や虫歯に関連する悩みに次いで、4番目に高いものです。この割合を日本人の人口にあてはめると1000万人以上の人が、少なくとも口臭に関して不安を抱えていることになります。
それでは、実際に口臭を発している人はどれくらいいるのでしょうか。日本の成人2672人を対象に揮発性硫黄化合物(VSC)濃度を測った報告があります。この調査は、1992年に実施されました。口臭が出やすい昼食前に計測したところ、実に23%の人が社会的に問題となりえる臭いの強さが測定されました。
以上のように、極めて多くの人が口臭に対する不安や訴えをもっており、また、実際に口臭がみられることが分かりました。ただし、不安や訴えを持っている人が実際に口臭を発しているかどうかは、また別の問題です。別の調査では、口臭があることとそれを自己認識していることは、全く関連しないことを示しました。比較的若い世代では、口臭があると思っている人は確かに口臭ガス濃度が高いようですが、45歳以上の集団では、逆に口臭があると思っている人の口臭ガスレベルが低い結果となりました。すなわち、自分の鼻は必ずしもあてにならないことになります。だからこそ、ひどい口臭があるのに自分だけ気づいてない人や、口臭がないのに、口臭があると思い込んでいる人が少なくない現状があるわけです。これは我々が、口臭のように鼻に近いところで発生している自分の臭いは感じることができないようになっているからです。生理学的には臭覚疲労(順応)といい、絶えず自分自身の臭いに晒されているため、臭覚が慣れてしまって識別がつかないようになっているためです。
また、口臭を持っている人であっても、1日中臭いを出しているというわけではありません。生活のリズムに対応して、臭いは強くなったり弱くなったりしています。
起床時は約50%の人が口臭を発していると報告されています。次に問題となるのが、昼食前、夕食前の時間帯です、口のなかで臭いがつくられる仕組みや、臭いの洗い流しを考えると、唾液の分泌が抑制される時間帯に口臭が強くなります。
唾液の分泌には交感神経と副交感神経が深くかかわっていますから、自律神経系とも密接に関係しているともいえます。

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