イエテボリ法
歯医者での歯磨き指導で、ハミガキ粉は、「歯ブラシにちょっとだけ付けて」とか、「付けないで」とか、言われた事が有るかと思います。
しかし、それはちょっと時代遅れの指導法です。
予防歯科の先進国スウェーデンでは、イエテボリ大学が推奨する磨き方がスタンダードとなっています。それは、フッ素の入っているハミガキ粉を2センチくらい、たっぷり歯ブラシにのせて磨き、磨いた後は10ミリリットルの水を口に含んで30秒間クチュクチュします。そして、吐き出した後は一切ゆすぎません。また、ハミガキ後の2時間は一切、飲食をしてはいけません。
イエテボリ大学ではなぜ、ハミガキを2センチも付ける様に指導されているかと言いますと、フッ素の効用を期待しているからです。フッ素は子供の虫歯予防と思われがちですが、大人にも、特に中年以降にはとても効果が有ります。
それは、人間も年をとってくると、誰でも歯茎が下がって、根っこの部分が出てきます。ここの部分は、弱酸性(pH6.2)でも溶けてしまうくらい、虫歯菌が作る酸に弱いのです。(ちなみに、歯の頭の部分のエナメル質はpH5.8で溶けだします。)
つまり、中年以降になりますと、若い人と違って、歯茎との傍に虫歯が出来やすくなるのです。これを根面カリエスと言います。
この根面カリエスを予防するには、フッ素が最も効果的です。
その為には、成人ならばフッ素入りの歯磨き材を2センチはつける必要があります。
そして、10ミリリットルの水は結構少ないです。つまり、あまりうがいしないと言う事です。これもフッ素の成分を口の中に 残すためです。
2時間は飲み食いしないのも、フッ素の効果を長続きさせるためです。
ヨーロッパでは97パーセントの歯磨き材にフッ素が入っている様ですが、日本では70パーセント位だそうです。
フッ素は歯磨き材に添加するには2種類あります。フッ化ナトリウムとモノフルオロリン酸ナトリウムです。
フッ化ナトリウムは反応が早く、比較的歯の表面に反応します。それに対してモノフルオロリン酸ナトリウムは時間をかけながらゆっくり深部に反応していきます。
2種類の異なるフッ素が入っているハミガキを併用するのが理想的です。
又、あまりうがいしない訳ですから、あまり後味の悪い歯磨き材はお勧めできません。からすぎたり、泡が立ちすぎるのも不適当だと思う。デントロジーナのように味も良く、泡立ちも抑え、合成発泡剤、防腐剤、着色料を含まない体にも優しい処方が理想的です。